朝川康誠｢経済心理学の世界へようこそ｣(30) 2015中国・厦門の現場から(前編)

　「世界の工場」の終わりのはじまり　 　中国経済大幅減速、経済成長率は7％を割り込む（日本経済新聞）　中国の貿易総額は6年ぶりの前年割れへ（朝日新聞）確かに経済を巡る情勢は厳しいです。特に衝撃的だったのが「日中の単位労働コストが逆転」の報道でした。（2015年12月6日　日本経済新聞記事より抜粋）これは労働コストが安い世界の工場として勇躍した、中国のビジネスサイクルがひとつの終わりを告げる象徴的なニュースです。世界の工場としての中国は「終わりのはじまり」を迎えたのです。そんな中国経済減速の報道が喧しいなか、4年ぶりに中国を訪れました。今回訪れたのは、福建省の厦門（アモイ）です。金門島から海峡を間に挟み、台湾を望むことができます。九龍江の河口であり、港湾都市、海港都市の厦門は1979年に中国4つの経済特…