戻る 印刷
経営

嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論 (21)モラル・ハザードの軽減

2014年12月10日

■モラル・ハザードとは何か?   経営組織において、「モラル・ハザード(moral hazard)」は、道徳的危険とか倫理の欠如・崩壊と解されることが多い。例えば、監視カメラがない店舗には従業員が売上金を横領するというモラル・ハザードが存在する、といった具合である。これは道徳観・倫理観のない従業員により問題行動が発生する危険性が高いということを意味している。   しかしながら、かかる用法は日本独特のものであり、海外では通用しない。いわゆるガラパゴス的解釈である。本来の「モラル・ハザード」は、危険回避のためのはずの仕組みが、却って危険発生率を高めてしまうことをいう。以下に、モラル・ハザードを、保険、エイジェンシー問題、レモン市場の各分野において解説したうえ、その原因と軽減について論じてみたい。    ■保険に…




続きを読みたい方はログイン、または購読のお申込みをしてください