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月刊商人舎 2023年02月

特集のまえがき


「凄い売り」の正体

ハレとケの総取り/コモディティ・ノンコモディティの両立性を考察する

2023年02月10日

㈱商人舎代表取締役社長 結城義晴 商売の世界では「ハレとケ」と言われる。いつのころからかは、わからない。昔から言い伝えられた二つの対比的な概念だ。 「ハレ」の語源は「晴れ」あるいは「霽れ」で、年中行事や儀礼や祭礼などの「非日常」のこと。現在でも「晴れ舞台」や「晴れ着」などと使われる。「ケ」は「褻」で、普段の生活の「日常」を表す。 もともと民俗学者の柳田國男が見つけ出した概念だ。日本人の伝統的な世界観の一つでもある。日本の伝統的な価値観、日本人の世界観が当然のように日本の商売に結びついた。 ハレの日には、餅、赤飯、白米、尾頭つきの魚、酒などが飲食された。正月がその代表だ。その名残がお節料理に残っている。庶民は日常的には雑穀と汁物と漬物を食べた。それがケの食事だった。肉や魚、酒などはハレのご馳…




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