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月刊商人舎 2022年03月

 Message of March 


常住坐臥、世のため、人のため。

2022年03月10日

佐賀鍋島藩の「葉隠」は、 「死ぬことと見つけたり」と説く。 藩内の武士に常住坐臥(じょうじゅうざが)、 死と隣り合わせに生きることを教えた。 ウクライナの男たちはいま、 葉隠の境地にあると思う。 その葉隠伝承者の山本常朝は言う。 「我も人、生くることが好きなり」 死と隣り合わせで生をまっとうする。 死の中に貪欲に生を見い出す。 鍋島の侍たちは藩のため、主君のため。 ウクライナの闘士たちは国のため、主権のため。 コロナ禍の断絶の淵にある商人は、 「売らぬことと見つけたり」である。 常朝の言に従えば、 「売ることが好きなり」でもある。 創業のころのイトーヨーカ堂。 伊藤雅俊は母から教えられた。 「お客さまは来てくださらないもの」 だから売ることよりも信頼と誠実を大切にした。 ピーター・ドラッカーは言う。 「マ…




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