顧客創造と全体最適によって生まれた。

岩田彰一郎さんの経営に、驚くほどに貫徹されているのは、マーケティング志向である。アスクル㈱という企業を「オフィスサプライビジネス」というジャンルに仕分けするにしても、あるいは「通販ビジネス」と見るにしても、それは従来の分類に従っていて、アスクルの本質を言い当ててはいない。「ラストワンマイル」の最高レベルの機能を獲得した「マーケティング・カンパニー」。これこそがアスクルである。 そしてそれは岩田さんのキャリアに大きく裏打ちされている。 慶応義塾大学商学部では、あの村田昭治ゼミに属した。慶應義塾の名誉教授にして、日本のマーケティングの最高権威。フィリップ・コトラーの『マーケティング・マネジメント』の翻訳者代表。ゼミ生OBもすごい。㈱ダイエーの創業者の故中内㓛さんのご長男で、現在の流通科学大学…