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月刊商人舎 2019年06月

 放談鼎談 


日本流通業のDNAとRNA〈第2部〉

チェーンストア産業の過去・現在・未来を激論する

2019年06月10日

 高度化、多角化、国際化の罠 ――成功したイオンと失敗した多くの企業群 高木 僕は、ユニーのグループ企画を担当していましたが、戦略目標は「高度化、多角化、国際化」だった。このキャッチフレーズをつくってグループ各社が一斉にその方向に走った。でも今振り返ると、それは間違いだったとわかります。 結城 マクネア教授の「小売りの輪」理論ではないけれど、高度化すると、会社は低コストから中コストになり、高コストに傾斜します。当時、西友はそれを「質販店」と命名していた。 高木 イオンは当時の多角化が活きていますが、ほかの企業は多角化がすべて足かせになりました。 和田 長崎屋は当時「15頭立ての馬車」と言っていました。創業者の岩田孝八のときです。家電専門店だけで400億円を超え、呉服、毛皮、宝石、ホームセンタ…




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