ドラッカーとレビットの顧客志向学説の神髄を説く

マ ーケティングの始祖は、1912年に企業マーケティングに関する論文を発表したA.W.ショーであるという説を唱える学者が多い。ただ一般的には、マーケティングの起源は1950年頃である。日本生産性本部が渡米して「マーケティング」という言葉を日本に持ち帰ったのもその時期である。1955年頃にはマーケティングに関するテキストが米国でつくられて一般に普及した。マーケティングには「流通」といった意味もあった。マクロ流通がマーケティングと言われたが、1950年代になって、企業が市場に対して行う活動のことをマーケティングと定義するようになった。おそらく企業規模が大きくなって、メーカーが卸売業や小売業に頼らなくても、消費者に対して自ら何かできる、そういう時代に入ったのが1950年代だった。 ドラッカーの｢創造｣と｢顧客視点か…