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経営

嶋内仁の[ポスト・モダン]チェーンストア組織論(64)葉隠(はがくれ)組織論

2018年07月10日

  Ⅰ.はじめに 武士道精神を表現した「武士道といふは、死ぬことと見つけたり」は、『葉隠』の中に記されたフレーズである。『葉隠』とは、今から300年ほど前、江戸時代中期に鍋島藩(現在の佐賀県)藩士、山本常朝が説いた武士としての心得であり、鍋島藩士の教科書ともいうべき書物である。 しかし、『葉隠』は、初めから教科書扱いされていた訳ではなかった。強烈な死生観に基づいた過激な内容だったので、当初は藩内で禁書扱いを受けていたし、本書の巻頭には、この書を覚えたら火に投じて燃やすべしと書いてあったくらいで、むしろ衆目に晒されることを拒んでいた。 現在でも、『葉隠』の説く武士道には、反発や批判も多いが、これは第二次世界大戦中、『葉隠抄』(『葉隠』の一部を切り取って要約したもの)として小学校や特攻隊の若者…




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