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経営

朝川康誠「経済心理学の世界へようこそ」(21) 妖怪ウォッチにみる市場で騙されない方法(後編)

2015年03月10日

裁定取引の歴史的考察「転売」や「せどり」などの商取引は個人によるミニ商社のようです。価値の分からないところから価値のわかるところへ商品を伝達し需要と供給をマッチングする。この商慣習自体は古来よりいたるところで行われてきました。紀伊国屋文左衛門が紀州のみかんを荒波のなか命がけで江戸に運んだのは、奇特な人だからではなく、江戸では希少なみかんが高く取引されることを知っていたからです。この裁定取引は紀伊国屋文左衛門だけでなく、生産地、消費地の双方に利益をもたらすことになりました。しかしながらこういった幸せな構図だけでなく、裁定取引は時に国家を滅ぼすことにもなりました。江戸幕府はペリーの来航以来、外国との交易を行うことになりました。その際の金貨と銀貨の交換レートは外国との常識とはかけ離れていました。…




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