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経営

嶋内仁の[ポスト・モダン]チェーンストア組織論(111)平等と公平

2022年08月31日

人事には、常に平等と公平という言葉がつきまとう。広辞苑を引いてみると、平等は「かたよりや差別がなく、すべてのものが一様で等しいこと」、公平は「かたよらず、えこひいきのないこと」と出てくる。辞書では、意味の違いが判然としない。言葉遊びをする気はないが、われわれが両語を使うとき、言語化し切れていなくとも、何となく異なるものと捉えているように思う。本稿では、その概念を言語化してみたい。 1.絶対的平等と相対的平等  絶対的平等とは、各人の違いは考慮せず、同じように扱うことである。絶対的平等においては、性差による違いも許容しないから、女性の産休についても配慮する必要はないということになる。 一方、相対的平等とは、特性や能力が違うのに一様に等しく扱うのは悪平等であるので、合理的な範囲内で差をつけて…




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