戻る 印刷
経営

嶋内仁の[ポスト・モダン]チェーンストア組織論(109)存在脅威管理理論

2022年04月30日

人はいつか死ぬ。それは、誰にも解決できない問題である。にも関わらず、われわれは自分の死について日常的に恐怖に苛まれることなく、毎日を生きている。それは、ある種の死の恐怖(存在論的恐怖)を和らげてくれるような心的防衛メカニズムが人間に備わっているからだと考えるのが、社会心理学上の理論である存在脅威管理理論(Terror Management Theory)である。 心的防衛メカニズムというのは、文化的世界観をまとって存在論的恐怖から心を守ろうとすることである。文化的世界観というのは、ある集団内で共有されている信念体系のことであり、世界の再構成(世界に秩序と意味を与え説明可能なものとする)、不死概念の創造(不死の概念を提供する)、象徴的存在としての枠組みの提供(人間に社会的な文脈における生きる意味を与える)などの役割…




続きを読みたい方はログイン、または購読のお申込みをしてください