フィリップ教授の実証研究とミューザックを意図的に使うチェーン各社

欧州のあるスーパーマーケットでは、顧客は店内に流れるPOPミュージックに合わせてカートを押している。ミューザック(BGM)が流れている店があれば、何の音楽も流していない店もある。 「店内の音楽は売上げを左右するのか」 イギリス・バース大学のカール・フィリップ教授が行った「音楽が買物に与える影響の研究」が、『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』2024年8月号にコラムとして掲載された。2023年発表の論文だ。 実地調査は欧州のスーパーマーケット3店舗で行われた。ポップスのヒット曲、ミューザック、無音の3つの環境下で、売上げがどう異なるか、1週間ずつ実施された。 店内データを分析すると、平日はポップスもミューザックも、どちらも音楽が流れていた方が売上げは11％も増加した。一方、週末は3つのケースでほとんど差がな…