「コロナは時間を早める」はクローガーにこそ当てはまる言葉だ。 一つは、アルバートソンとの合併の案件が起こったことである。バイデン大統領が2022年9月18日に「コロナ終息」を宣言した翌月の10月14日、アルバートソンとの合併合意が発表される。米国スーパーマーケットの1位クローガーと2位アルバートソンとの歴史的なM&A報道に衝撃が走った。買収合意額は246億ドル（130円換算で3兆1200億円）だった。 アルバートソンは1990年代までは代表的なエクセレントカンパニーだった。しかし1999年、アメリカンストアーズとの統合以降、組織体質も財務体質も悪化の一途をたどり、2006年、三分割されてしまう。その後、投資会社のサーベラス傘下になって、2015年１月、当時は米国スーパーマーケットチェーン2位だったセーフウェイと合併させられてしま…