ネットの圧倒的パワーを｢売る立場｣から謎解きする

ウォルマート本社所在地ベントンビルのプロトタイプ店にあるピックアップ専用レーン。 ㈱島田研究室　島田陽介 マス・メディアは、ネット(eコマース)について、圧倒的に「買う」立場で論じる。ネットは店舗より便利だ、というのは「買う」立場で見る典型的事例である。「売る」人々より「買う」人々の方が圧倒的に多く、それがメディアのお客だから、当然である。だがここではひたすら、「売る」立場から、まずネットの圧倒的パワーを論じることにする。  商圏の無制限と扱い商品の無制限  第1に、当然のことながらネットには「店舗」を出店する必要がない。だがこのことの大きな意味は、店舗出店のコストその他が不要になる、という事情にあるのではない。まず大きな意味は、「商圏」という問題にある。店舗チェーンは、当然に出店できる「商圏」…