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月刊商人舎 2020年04月

 特集 


真似る。

「模倣の経営戦略」の真贋

2020年04月10日

「真」に「似る」と書いて「まねる」。完璧に模倣すること。正しく見倣うこと。小売業やサービス業の商売は「真似る」ことで成り立ち、成長してきた。江戸時代のお店(たな)は、真似の殿堂だった。丁稚どんとして商売の道に入り、番頭さんの真似をし、店主の真似をし、やがて暖簾分けでお店を保有する。チェーンストアの時代になると、業界の最優秀店舗を真似して、プロトタイプをつくり、その自分のプロトタイプを真似して、多店化していった。チェーンストアは合理的、科学的、論理的に模倣するビジネス成長戦略であった。その最優秀店も、消費と流通の先進国アメリカやヨーロッパに範を求め、真似た成果であった。しかし模倣の戦略と戦術ばかりが市場にあふれ、その市場も飽和に近くなると、成長は止まり、収益性は落ちてくる。そこで独自性や差別化、差…




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