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月刊商人舎 2020年03月

官僚化と制度疲労への処方箋

ドラッカーは経済の暗黒大陸「流通」をどう診断したか? 

2020年03月10日

ドラッカー学会理事・ものつくり大学特別客員教授 井坂康志 「診断」と「処方箋」―――どちらが先か? 冒頭で言うのもいささか心苦しいが、処方箋とは、一種の危うさをはらむものである。というのも、しばしば現実を正確に診断していない処方箋ほど始末に負えないものはないからだ。ろくに診断もしないで処方箋ばかり出す医者のことを世間では「やぶ医者」と言うが、キャッチャーのミットを見もしないでボールを投げるピッチャー同様に危険この上ない。剛速球であればあるほど危険性は増す(実は私は最近、ある医院でひどい目にあったばかりなので、実感をもって言うことができる)。 要は何が言いたいかというと、処方とは、正しい診断があって初めて成り立つということである。順番が大切であって、①正しい診断→②正しい処方だ。 くれぐれ…




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