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月刊商人舎 2019年11月

 特集のまえがき 


消費増税後の「不易と流行/変化と不変」

2019年11月11日

㈱商人舎代表取締役社長 結城義晴 1989年4月、日本に3%の消費税が導入されてから、過去2回の消費税増税が行われた。1997年4月が5%へと2%の増税、そして2014年4月が5%から8%へと3%の増税だった。 どちらの増税も、その後、国内総生産(GDP)に半分ほども貢献する個人消費が大きく落ち込んだ。小売業もサービス業も影響を受けた。日本は景気悪化へと傾斜していった。1997年の2%税率アップのときは、実質ベースの個人消費が前年の1996年度の前年度比2.5%増に対して、0.9%減へと低下した。さらに2014年4月の8%への引き上げ時は2013年度の2.8%増から2014年度は2.6%減へと大きく落ち込んだ。つまり、増税前後の景気変動になんら効果的な手だてを打ち出せなかった。 政府は何としても消費増税は果たしたいと考えた。同時に過去2回の増税時と同じ…




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