印刷プレビュー
月刊商人舎 2019年07月

 結城義晴の述懐 


「篤志丸」&「徳島丸」が

商業の現代化を志向する。

2019年07月10日

「とくし丸」はまずネーミングがいい。実に、いい。「篤志」とは「他人への特別の思いやりなど、志が篤(あつ)いこと」だが、それが背景にある「篤志丸」だし、創業者の住友達也の生まれ育った徳島県の「徳島丸」でもある。 とくし丸は、買物難民のための移動スーパーである。この「難民」はアメリカのフードデザート(Food Desert)に暮らす住民とは違う。Food Desertは直訳すれば「食の砂漠」。都市部のドーナツ化現象によって、生鮮食品などを販売する商店が廃業して、とくに生鮮食料品の購入が困難になった結果、その摂取量が不足し、健康を損なう人々が増えた。もちろんジャンクフードを販売するファストフードなどが店を出しているから、買物難民とはならない。 とくし丸は買物に行きたくても、それがかなわない老齢者や身体障がい者の人たちのた…




続きを読みたい方はログイン、または購読のお申込みをしてください