キッズ市場の可能性と限界

―――　経営評論家　保科　篤　―――キッズ関連市場のニーズは多様化の一途をたどっている。生活者を取り巻く環境が大きく変化しているからだ。従来、“父親は仕事、母親は家事・育児”といった「役割分業型」であった家族形態も、昨今は、徐々に父親も積極的に家事や育児に参加する「共生型」の家族形態へとシフトし、少子化傾向を背景に「親と子」「祖父母と孫」のコミュニケーションのニーズが高まっている。キッズ関連市場に、小売りサービス業界からの熱い視線が投げかけられている。 「シックスポケット」市場と「コト消費」の伸び 厚生労働省によれば、2015年の出生数は100万5656人で、5年ぶりに増加に転じた。ただ出産の中心となる15～49歳の人口は2540万6748人で前年より1％減っており、少子化は引き続き大きな課題である。この少子化で関連市場は…