――――――――――――――――――――――――――――＜結城義晴＞2015年は日本の小売業界において「脱チェーンストア」論議が派手に展開された年として、長く人々の記憶にとどめられるだろう。そしてそれは1962年に執筆された『流通革命』の軛(くびき)を、最後の最後に断ったという意義を有していたと評価されることになるだろう。新年1月4日、セブン&アイ・ホールディングスCEO鈴木敏文は年頭挨拶をし、その所感をマスコミに発表した。「今年、私たちセブン＆アイグループは、チェーンストアのあり方を全面的に見直します」どう見直すのか。「従来チェーンストアの多くは、本部（商品部）がお取引先から提案された商品を仕入れ、各店舗に供給していくという方法をとってきました。しかし、買い手市場の時代、お客様や地域のニーズにきめ細かく対応するためには、店舗が…