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月刊商人舎 2015年12月

 特集 


「流通革命論」の軛(くびき)を断つ

2015脱チェーンストア経営の弁証法

2015年12月10日

軛(くびき)とは、「車の轅 (ながえ) の前端に渡して、牛馬の頸の後ろにかける横木」のこと。転じて「自由を束縛するもの」を意味する。1962年に東京大学助教授だった林周二が上梓した『流通革命』は、日本の小売業・卸売業・製造業に、決定的な衝撃を与えた。それは小売業の近代化を促すかたわら、一部に「問屋無用論」と理解され、ながらく日本流通業の軛となった。一方、2015年の年頭、セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長が「従来のチェーンストアのあり方を全面的に見直す」と宣言。「脱チェーンストア経営」のロジックは日本中の小売業を駆け巡った。しかしそれは「流通革命論」にパワーを得た、古典的チェーンストア理論というテーゼに対するアンチテーゼであり、そこには必ずジンテーゼがある。「流通革命論」から「脱チェーンストア論…




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