嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論 (50)人件費の低い人ほど採用したくなくなるギッフェン・パラドックス

Ⅰ．ギッフェン財年齢や体重、どんな活動をするかで個人差はあるが、人間の1日に失われる水分量は平均して2.5Lくらいである。食事から得られる水分量を1Lとすれば、飲料として補給すべき水分量は1.5Lとなる。水道水は飲用にしないという前提で、水分補給のため1日に500mLのペットボトルを3本、1カ月で90本買うものとし、“水”に使える予算を月6000円とする。エビアンは1本120円、マイナーブランドのペットボトル水は1本60円で買えるとする。人間は、経済合理性のみを追求するわけではなく（注1）、予算内なら単なる水よりも、ミネラル分を豊富に含有するエビアンをできるだけ多く飲みたいと思うだろう。（注1）拙稿「嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論 (8) なぜ仕事の見つからない人がいるのか？――ノーベル経済学賞受賞学者の説」のアニマ…