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月刊商人舎 2016年06月

 商学者 矢作敏行 


新・顧客商売ゴールデンルール

「店は客のためにある」と考えた商人たちの生き方

2016年06月10日

アメリカ東海岸の北端に位置するメイン州フリーポートに本社を構えるアウトドア用品通信販売業者、L.L.ビーンには毎日、たくさんの注文が届く。楓の葉が真っ赤に染まる秋の日、アラスカに住む男性から1着のズボンの注文書が小切手とともに届いた。いつも通り注文を処理し、配送センターから商品をすぐさま出荷した。ところ が、2週間後、男性からカスタマーセンターに「商品が届いていない」との電話が入った。顧客係が配送センターに確認したところ、商品の出荷記録は確認でき たが、サプライチェーン(供給連鎖)のどこかで行方不明になっている可能性もあるので、ただちに再発送の手続きをとった。それが「100% Satisfaction Guarantee」(100%顧客満足保証)をプロミス(約束事)としている会社のいつものやり方だった。しばらくすると、男性から…




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