朝川康誠｢経済心理学の世界へようこそ｣(94)期待感という商品

　コロナ禍による生活様式の変化　 　 2年にも及ぶコロナ禍生活で、人々はそれ以前とは大きく生活様式を変えることになった。旅行や食事会を存分に楽しめない不自由さを残念に思わないことはないが、そんななかにも人々は快適さ、便利さを求めるしたたかさがある。 門外不出の秘伝の味を今では宅配アプリに気軽に配達してもらったり、ジムに行けない代わりに動画配信を使って自宅でフィットネスを楽しんだり。 そんななかでも一般化した最たるものが、在宅ワーク文化ではないだろうか。あれだけ会社に来ることを望んでいた大企業群が、平然と在宅ワークを受け入れたのはこう言ってはなんだが、コロナ禍の為せる業だろう。こんな事態にでもならない限り、横並び・同調主義の「日本株式会社」が変わることは難しかったのではないだろうか。昭和のモー…