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経営

朝川康誠「経済心理学の世界へようこそ」(69)石田梅岩を超える

2019年02月19日

 「石門心学」の祖 江戸時代の思想家・石田梅岩の思想は没後も弟子たちによって全国に広められた。京都と大阪には三塾、江戸にも参前舎という塾が開かれた。「石門心学」は、今日に至るまで日本のビジネス界に与えた影響が非常に大きい。その教えを見る前に、梅岩の歴史を三期に分けてさらっと覗いてみよう。 第一期が少年時代。梅岩は8歳の時に(諸説あり)丁稚奉公に出される。程なく丁稚先の呉服屋は倒産してしまうが、「奉公先の恥を口外してはならぬ」という父の言いつけを頑なに過ぎるほど守り、実家に倒産を報告しないばかりか他の仕事をしながら主人を養っていたという。真面目というべきか、頑固というべきか。ここに梅岩の特異さが示されている。15歳の時に、父親に故郷に連れ戻された。 第二期が商人時代。23歳で再び呉服屋の丁稚となる…




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