アメリカの小売業は世界でも稀な成長を遂げた。食品分野は食品専業業者が、非食品領域は非食品専業業者が、それぞれにマーケットを占有し、進化させた。食品分野は、1859年にA&Pがお茶の小売店を創業し、それをグロサリーストアに発展させ、同時にチェーンストア・システムを構築して、全体を牽引した。1916年にクラレンス・サンダースがセルフサービス方式を考案し、さらに1930年にマイケル・カレンがスーパーマーケットを発明し、それら食品領域のイノベーションはノンフード・リテーラーにも強いインパクトを与えた。つまり食品のスーパーマーケットが他の業態をリードしつつ、他の業態からの侵入を完全防御していた。「水は高きより低きに流れる」だから、スーパーマーケットのレベルの高さが、システムの低い業態からの参入障壁となっていたの…