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経営

嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論 (43)戸籍廃止論

2016年10月11日

Ⅰ.はじめに 個人的な話だが、筆者には戸籍がなかった。筆者の父のルーツは「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」の一節で有名な『葉隠(はがくれ)』を藩士の教科書とした鍋島藩(佐賀藩)の武士であるが、諸般の事情により、筆者の戸籍がつくられたのは、小学校6年の12月26日だった。それまでは、肉体は存在していても、法的には存在していなかったことになる。 だから、筆者は幼稚園に行っていない。本来なら、小学校以上にも行っていないとなるところだが、小学校は父親がうまく教育委員会に話をつけたらしく、入学することができた。しかし、中学校はそうはいかなかったようで、“蒸発”から戻ってきた父親によって、入学直前に戸籍がつくられたのだろう。 戸籍がないというのは、世の中に認識してもらえないということである。   Ⅱ.戸籍…




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