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経営

嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論 (41)人は、その性格に合った事件にしか出会わない

2016年08月10日

城山三郎の『少しだけ、無理をして生きる』(以下、「本書」)を読んだ。その中に「人は、その性格に合った事件にしか出会わない」という話が収録されている。登場するのは、渋沢栄一。彼は、天保11年(1840年)に、現在の埼玉県深谷市の農家に生まれた。天保といえば、水野忠邦の天保の改革が思い浮かぶ。歴史の教科書に載っている水野は裃(かみしも)を着ているが、渋沢は洋装である。すなわち、渋沢は、江戸時代末期から明治、大正という時代に“日本最大”の経済人として活躍し、昭和6年(1931年)91歳で没した人物である。 渋沢は、第一国立銀行、東京証券取引所、理化学研究所などの設立に関わり、生涯に関わった会社は500近い。まさに「日本資本主義の父」と呼ばれる所以(ゆえん)である。また、教育にも熱心で、現在の一橋大学の前身となる商…




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