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月刊商人舎 2017年04月

 特集のまえがき 


「商品廃棄ロス」オセロ現象とパラドックス

2017年04月10日

思えば、隔世の感がある。「商品ロス」に対する商業の世界の基本的な考え方と対応の仕方は、その時々の小売業経営を代表するトレンドによって、それこそコペルニクス的転回を見せ続けてきたからだ。――――― ㈱商人舎代表取締役社長 結城義晴 ―――――1970年代後半まではずっと、「商品ロス」に対しては「退治」という言葉が使われた。ロスを出すのは悪いこと。ロスは利益を奪い取る。醜い商人、無知な商売人が、売りにかまけて、ロスを出す。だから「ロス退治」せよ。しかし、今でもはっきりと覚えているが、1982年、月刊『食品商業』に人事異動した結城義晴は「ロス・コントロール・テクニクス」という大特集を企画、編集して、この1冊でこの雑誌の販売部数を大台に乗せた。その主張は、従来の「ロス退治」の一方的な考え方を、「ロス・コントロール」のコ…




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